「風水」という言葉の由来は、古代中国の西晋末から東晋初めにかけての有名な学者である「郭璞(かくはく)(276年~324年)」が書いた「葬書(そうしょ)」の中の一文が基になっています。
これは簡単に説明すると「エネルギーは風によって散らされてしまうけど、水と交わると蓄えられますよ」という意味になります。
雨が山に降り、川となって海に注ぎ込み、海の蒸発した水が雲となって風に運ばれて、また山に雨となって降り注ぐ、という自然循環を表しています。
風が運んだ雨が、山にぶつかって、水が川となって山の土の中に含まれる微生物やミネラルを海に注ぎ込んで、沢山の生命が産まれるのです。
この生命を育む「風と水の旅」こそが「風水」という言葉の原点になっています。
では「風水」とは一体何なのでしょうか?
風水とは古代中国から伝わる「地理学」「建築学」「気象学」若しくは「環境心理学」と言えます。
「地理学」とは自然の地形を判断する学問ですし、「建築学」は建物を建てる学問であり、「環境心理学」は周辺環境が人に与える心理的な影響を考える学問になります。
古代中国において、風水が独特な形で発展した理由は、中国の統治者達が政治・軍事の両面で風水を活用したからです。
統治者にとって、国を統治する為にも、戦争で他国に勝利する為にも、地形を把握することは必須事項になります。
軍師と呼ばれる人々の大半は風水の知識に精通しており、統治者の側でその技法を駆使していました。
古代の風水の歴史は、「お墓」を何処に建てるかで、子孫の吉凶の影響を判断する事から始まりました。
お墓を鑑定する技術が住居にも応用されるようになって、現代の風水の形になっています。
「風水」というものは、「目に見える形」と「目に見えない空間と時間」の両方からの影響を研究した学問でもあります。
山や川、道路、電柱等、目に見える形のある周辺環境からの影響と、方角や方位、時間といった目に見えないモノの影響を研究したものです。
風水上、目に見える影響を「巒頭(らんとう)」、目に見えない影響を「理気(りき)」といいます。
巒頭と理気はパソコンの「ハード」と「ソフトウェアー」のように、切っても切れない関係にあります。
長い歴史の中で、巒頭も理気も双方様々な理論・技法が生まれ、多数の流派が派生しています。
いずれにせよ、古代から、中国の真面目な学者達が真剣に研究し、伝承してきたものの総称が「正統派古典風水」と呼ばれるものなのです。
当社が風水建築設計においてメインにしている玄空飛星風水(フライングスター風水)がどんな風水かを簡単にご説明します。
古代中国より発展してきた風水には様々な流派・鑑定法がありますが、「玄空飛星」もその1つです。
風水技法の中でも、特に近年、中国大陸や香港、台湾、東アジア圏を中心に世界的に支持されているのが、この玄空飛星という鑑定法です。
西洋諸国でも急速に広がりをみせており、現在、国際的な風水鑑定技法のスタンダードになりつつあります。
玄空飛星風水が国際標準になりつつある理由は、他の風水技法と比較しても、建設工事に取り入れやすく、また一番具体的な「成果=風水効果」を出しているからです。
日本と違って、他の国では成果の出ない風水技法はあっという間に廃れてしまいます。
香港で最も長い歴史と格式をもつ「ザ ペニシュラ香港」や、屋上巨大プールで有名なシンガポールの「マリーナ・ベイ・サンズ ホテル」など、世界中の有名なホテルで玄空飛星風水の技法が駆使されており、「圧倒的な集客=莫大な集金」という成果を出しています。
勿論ホテルだけでなく、巨大なショッピングモール・銀行・飲食店・一般住宅などなど、様々な建築物で成果を出し続けています。
当社が玄空飛星風水をメインにしているのは、建築設計に取り入れやすいその理論構造と、風水効果が明確に出やすいという理由からです。
玄空飛星風水にも様々な流派がありますが、清王朝時代(1644年~1912年)に沈竹礽(しんちくじょう)によって著された「沈氏玄空学」が最も有名です。
玄空飛星風水のバイブルと見なされています。
現在最も権威のある風水師として知られているのが盧恆立(レイモンド・ロー)老師です。
第5回国際風水会議にてグランド・マスター(最高位)の称号を授与されている世界最高峰の風水師ですが、盧恆立老師がメインで使用している風水技法が玄空飛星風水です。
盧恆立老師は上述の「ザ ペニシュラ香港」の風水設計にも携わっています。
風水は陰宅風水と陽宅風水に大きく分かれます。
陰宅風水とは「お墓」を鑑定する風水です。
陽宅風水とは「建物」を鑑定する風水です。
玄空飛星風水は、建物を鑑定するのに非常に優れていますので、陽宅風水になります。
一般的な風水のイメージは建物を鑑定する陽宅風水でしょう。
実は陰宅風水が先に完成し、陰宅風水の技術を建物に応用して陽宅風水ができあがりました。
玄空飛星の「玄」は時間を、「空」は空間を、飛星は「九星」を意味しています。
つまり時間と空間(方位)を同時に使う風水という事になります。
この「時間を使う」という所が他の風水と圧倒的に違うところです。
開店当時には流行っていたお店が、ある時期を境にパタッと客足が遠のいて閉店したという話を聞いた事はありませんか?
逆に今まで全く客が入らなかったお店が急にブレイクする事もあります。
このように、1つの建築物が月日の流れ・時間経過によって、繁栄したり衰退したりする状況を解明するのに優れているのが玄空飛星風水です。玄空飛星風水では、同じ方位の建物でも20年ごとに吉凶が入れ替わります。
これは「三元九運(さんげんきゅううん)」という時間の概念を使用しています。三元九運では、180年を1つの大きな周期と考えています。それは180年に一度すべての太陽系の惑星が一直線になるという考え方が基になっています。
玄空飛星風水では360度を15度ずつ24分割した方位区分を使います。
南・南西・西・北西・北・北東・東・南東をそれぞれ3等分の計24等分です。
建物の正面を「向(こう)」、建物の背面を「座山(ざざん)」と言います。
建物の「向」と「座山」が24分割された方位のどの位置にあるか判断し、建物が完成した時期と併せて判断します。
建物がどの時期に建ったかを確認し、羅盤を使って地盤二十四座山の向と座山を確認したら、飛星チャートという図式を描きます。
飛星チャートとは、9つの方位が建物に与える影響を図示したものです。
9つの方位とは南・南東・東・北東・北・北西・西・南西の8方位と中央をあわせたものです。
最終的には、この飛星チャートと建物の間取り図を見比べて、吉凶の判断をします。
当社が行う風水建築設計では、飛星チャートを元に、風水上最適な間取りをご提案しているのです。